めんそ~れ! 仲間と観客が師匠を歓迎 宮川大助さん・花子さんと仲間たち 公開日時
2025年05月20日
ウチナーンチュの笑顔で
師匠に恩返し
浦添市出身のお笑い芸人・宮川たま子さんが、「23年間お世話になっている師匠に恩返しをしたい」と昨年夏からライブを計画。沖縄が大好きな大助・花子師匠と楽しい時間を過ごしたい、という思いで計画を進めて先月実施し、大成功で幕を閉じた。師匠2人は、たま子さんを誇りに思ったそうだ。
「病気と闘う花子師匠と介護を担う大助師匠を招待し、仲間たちと歓迎します。2人には漫才を披露してほしい。お客さまの拍手を浴びると生きる力がより湧いてくると思うんです」と熱い思いでライブを計画したたま子さん。沖縄のお笑いを師匠に見てほしくて師匠と付き合いのあるよしもと芸人に加え、他事務所の芸人にも出演をオファー。音楽で場を盛り上げようと、島袋優さん(BEGIN)・上里優さん(D―51)にも出演を依頼した。
そのたま子さんの計画が実現し、ライブ当日に師匠一行が沖縄に到着。オープニングに2人が登場すると、満席の会場は拍手と歓声に包まれた。
プログラムはネタ披露から始まり、プロパン7・護得久栄昇with. 仲座健太さん・オリオンリーグ・宮川たま子さん・ありんくりんが爆笑を誘った。
「宮川家大助花子たま子と仲間のうちなーライブ♪ わーいピヨピヨ」で、7年ぶりに琉球新報ホールの舞台に立った宮川大助さん・花子さん(提供写真)
続いて大助さん・花子さんに「沖縄あるある」を紹介するコーナーも。ガレッジセールのゴリさんが話すエピソードに川田さんが「それは俺の実話!」と応答し、大助さん・花子さんへの敬愛やまないくっきー!さんは「大花師匠あるある」を語った。
音楽コーナーは島袋さんと上里さんが「島人ぬ宝」他数曲を披露。たま子さんの三線、演者と観客の大合唱も加わり大盛り上がりとなった。
最大の見どころである大助さん・花子さんによる漫才は、「夫の介護がないと1日も過ごせません。感謝していますが、漫才もこれくらい頑張ってくれたら良かったのに」という花子さんのキレのある言葉でスタート。治療に追われる日常を笑いに変える息の合った掛け合いが、爆笑と感動を誘った。
最高の夫婦漫才
終演後に話を聞いた。
大助さん・花子さんの娘で司会を務めたさゆみさんは、出発前に主治医から花子さんの体調を心配されたと涙ぐみながら明かした。
「大丈夫という確信が私にはありました。みなさん、健康を大事にしてください。今日のお返しになるよう1回でも多く大助・花子を見ていただく機会をつくり、今後も2人の生きざまを伝えたいです」
大助・花子師匠を慕って集合した仲間と記念撮影
大助・花子師匠ファンを公言しているくっきー! さんは「前に会った時よりお元気で、花子師匠が頑張っていらっしゃるのが分かりました。素晴らしい夫婦漫才で口の悪さが最高(笑)。沖縄の方の師匠愛も感じます。沖縄のみなさんは犬を飼っている人たちの印象。犬を飼う人は朗らかで優しい顔をしていますからね(笑)」と話した。
主宰者のたま子さんは、マイクに立つ師匠の姿を久しぶりに見て涙をこぼした。
「弟子としての失敗談はいろいろありますが、今日少しは挽回できたかも(笑)。師匠の漫才はやっぱり一番。沖縄をきっかけに全国各地の人を笑顔にしてもらいたいです」と話し、協力した全員にお礼を伝えた。
拍手喝采がエネルギーに
離島巡りをし多くの歴史本も読むほど沖縄が好きだという大助さん。
「僕が女房の世話をしていますが、抗がん剤の影響で食欲がない日もあり体力が落ちています。沖縄に行って漫才ができるのか悩みましたが心配が無駄になるほど楽しく、みなさんからエネルギーをいただきました。海の美しさと同じように沖縄の方の心はきれいです」と感謝を述べた。
「うれしくて帰るのは嫌。今日から私は島んちゅ」と舞台で笑顔を見せた花子さんだったが、生きるのがつらい時もあったと語った。
「明日に向かって生きようと今は思っています。闘病でつらい方、苦しみの中にもひとかけらの楽しみが絶対にあるはず。その楽しみを大切にしていただきたいです。沖縄っていいさ~、またお会いしましょう」とメッセージをくれた。
2026年、コンビ結成50周年とともに金婚式も迎える大助さんと花子さん。記念イヤーも沖縄を訪ねてほしい。
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